言わずもがなのこの有名な著者の、専門である精神医学から歪んだ親子関係という現代病を分析する、新著。特に母娘関係に主眼が置かれている。母と子という関係性においては、わたしは大学時代の卒論で扱ったテーマがまさにそれだったので、こういった議論については多少は詳しいと思っている。しかしわたしの専攻は
社会学だったので、同じような問題を扱っていても、わたしの卒論でのみかたとはやっぱり違うところが多くて新鮮だった。反面、わたしの
社会学的なもののみかたからすると、精神医学からのアプローチはそういうものなのか(詳しくないのでよくわからないくせに言っていますが)、主観的な理論が多く裏づけが不足しているところにとても違和感を感じた。要するに、ああこういう解釈もあるなと思うところがある反面それほんとかよ〜と思うところがあるのと半々という感じ。ともあれ、この本を通して卒論以前からのわたしの関心の一つである「母子関係」について新しく(と言うか改めて)思いついたことがあったんだけどそれはあんまり真面目になるのでまた今度気が向いたときに。
しかし、あんまり真面目に大学行ってなかったけど、それでも3年ちょいで身についた社会学の考えかたっていうのは身に染み付いてるもんだなと思う。まあわたしのもともとの考えかたがそれに近かったっていうのもあるんだろうけど。学校は嫌いだったけど、社会学はやっぱ面白いと思う。いや「社会学」ってものの実態はあるようでないものだから、あくまで「社会学的なもののみかた」なんだけどさ。